認知度・イメージを把握したい
認知度やイメージを確認する理由
ブランドや商品の状態は常に変化しています。商品を取り巻く環境は昨日と今日で大きく変わることがあります。イマどういう状態にあるかを観察していかないと、ダウントレンドに突入し死筋商品となってしまいます。そうならないためには、定期的に「あるべき姿」と乖離していないかという「健康診断」が必要です。
認知度やイメージを確認する際のポイント
消費者に浸透しているか、確認しましょう。
「認知」は、商品を買ってもらえるかどうかを左右する要因です。
エボークトセットに入っているか、確認しましょう。
購入しようと思った時に選択肢として、あがってこないブランド(=エボークトセットに入らないブランド)は買われにくい傾向にあります。 認知、配荷率、エボークトセットが売り上げに大きく影響します。
知っているものから、エボークトセットに入り、配荷率が高いと売れる可能性は高まります。
エボークトセットに入れるためにブランドのイメージは必須で確認しましょう。
本来持ってほしいイメージでブランドが生活者に浸透しているのか、競合と位置付けているブランドと同一のポジション取りができているか、差別化できているかを確認します。
Evoked set(エボークトセット)とは
エボークトセットとは、何かを購入する時に頭の中で思い浮かべられる購入を検討してもよいと考えるブランドの集合体です。例えば缶ビールと聞いて「スーパードライ」「一番搾り」「黒ラベル」が想起されるというのがそれに当たります。
このエボークトセットは人それぞれが独自に持っているもので、10人いれば10パターンのエボークトセットが存在します。
生活者はそれぞれに、このエボークトセットという選好パターンを持っており、購買時にはエボークトセットの中からブランドがランダムに選ばれ購買に至ります。エボークトセットに入ることで購買される確率を上げることが可能です。
知っているブランドの中で、イメージが良くて強いものから、購入の候補に挙げられ(=エボークトセットin)、
配荷率(実際に購入できるか)が高いほど、売り上げにつながります。
ブランドを活性化させるためには、認知率が上がっているか、伝えたいイメージを持ってもらえているかをトラッキングすることが重要です。加えて、エボークトセットに入っているか、上位に入っているかを確認できることが尚重要だといえます。
ブランドの育成のために重要なこと
ブランド育成のための施策は、そのブランドのおかれている状況によって異なります。
既に何らかのカテゴリで購入時に想起されるカテゴリー№1ブランドである場合、カテゴリー自体の拡大のために、より多くの、もしくはより強い想起のきっかけを獲得するための施策を実行していきます。
カテゴリー№1以外のブランドは、新たな想起のきっかけを見つけ、フォーカスすることで№1を狙う施策が有効です。
認知状況を把握する
認知状況を把握するために聞くべきこと、確認すべきこと、すべきことは、以下のように整理されます。
認知状況を把握するための調査は、ネットリサーチで実施することができます。
その際の、質問内容は以下のように取得します。
認知度調査の結果分析と解釈
調査で取得したそれぞれの情報は、分析し、次のアクションにつなげる必要があります。
ここでは、実態把握調査分析方法と、次のアクションにつなげる方法を紹介します。
●ブランド認知のレベルを把握する
「純粋想起」で取得した認知されているブランドの結果と、「エボークトセット」で取得した購入時想起されるブランドの結果を掛け合わせることで、ブランドの認知レベルを分析することができます。その認知レベルによって、必要となる分析、追加の調査が異なります。
●リーダーブランド
ブランドとして十分認知されており、更に購入時の選択肢にも上位であがるブランドです。競合ブランドとの差を広げるため、更にブランドを強化していく動きが重要です。ブランドの強みと提供価値の源泉を再度確認し、差別化ポイントを見つけ、カテゴリーエントリーポイント(CEP)を網羅していくことが有効です。
●チャレンジャーブランド
市場全体としてのブランド認知に課題があるものの、特定の強い想起ポイントを持つブランドです。ニッチ戦略、セグメントオブワンを強化する動きが重要であり、差別化ポイントを見つけ、カテゴリーエントリーポイント(CEP)を増やしていくことが有効です。
●フォロワーブランド
競合ブランドと差別化できているか、ブランドが提供している価値がカテゴりーに期待されている価値と乖離していないか、確認することが重要です。ポジショニングマップによる、市場での競合との関係性、顧客が期待するイメージとの乖離などを確認することが有効です。
●マイノリティブランド
コミュニケーションレベルで対応可能な範囲か、開発レベルでの刷新が必要かを見極める必要があります。コミュニケーションレべルで対応可能な場合は、ターゲット層を深く理解したうえでのコミュニケーション開発を実施します。加発レベルでの刷新が必要な場合、生活者ニーズの把握、商品コンセプトの検討・評価等から実施します。
認知度調査の結果分析と解釈
調査で取得したそれぞれの情報は、分析し、次のアクションにつなげる必要があります。
ここでは、実態把握調査分析方法と、次のアクションにつなげる方法を紹介します。
●認知購買行動のボトルネックを探る
生活者のブランドの認知、購入経験、購入頻度、購入意向などを取得することで、購買行動上どこにボトルネックがあるのかを把握することができます。仮にボトルネックが、再購入の少なさであると分析できた場合、ネクストアクションとして、なぜリピートしないのかを探り、対策を検討することができます。
●売上構成の「健康診断」を行う
今後の購入利用意向が、未来の売上を構成します。現在の売上がどのような顧客構成で成り立っているのかを、再利用意向という指標で確認します。「将来を支える売上」、「将来的にリスクとなる売上」がどの程度存在しているかを見ることで、現在の売上構成が健全な状態か、把握することができます。
また、購入利用意向が低い回答をした生活者がどのような人なのかを分析することも、ネクストアクションを検討するうえで重要な情報です。属性、ブランドへのイメージ、カテゴリーに期待することなど、その購入利用意向の背景の要因を分析します。
ネオマーケティングが提供する関連サービス
競合との差別化ポイントを見つける方法
ブランドごとに当てはまるイメージを取得することで、ブランド間の関係性をポジショニングマップで視覚的に表現することができます。
どのような訴求を行うべきか、検討します。ホワイトスペースを見つけることも重要な視点と言えます。
ブランドの提供価値を顧客ニーズのギャップを見つける方法
自社ブランドが提供している価値(イメージ)と生活者がカテゴリーに期待する価値(重要度)を掛け合わせてマッピングすることで、自社ブランドのイメージと期待とのギャップを発見することができます。仮に、ある特定の期待に応えるブランドが市場に存在しない場合、そこがねらい目となります。
